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労働紛争、解決金に基準 厚労省が導入検討

(日経新聞 2015年10月25日)
 
 厚生労働省は解雇や職場でのいじめなど労働紛争の解決ルールを整備する。労使が第三者を交えて話し合いで解決する「あっせん」に解決金の指針を導入することを検討する。解決金は15.6万円(中央値)と少なく、指針を示して引き上げを促す。全国の地方裁判所で開いている労働審判の開催場所も増やす。紛争の解決手段の使い勝手を良くして、労働者の泣き寝入りを減らす狙いだ。
 厚労省は10月下旬に労使の代表者らで構成する検討会を創設する。裁判所を所管する法務省も参加する。検討会で報告書をまとめた後に労働政策審議会で議論し、制度変更に着手する。
 労働紛争の解決手段は(1)あっせん(2)労働審判(3)裁判――の3つがある。日本は欧州などで一般的な金銭解決制度はないものの、実際は9割以上が金銭で解決している。指針で基準を示し、問題解決の手段を透明にする。
 あっせんは労働者と企業間のトラブルを裁判に持ち込まず、迅速な解決を目指す手法で2001年に始まった。
 検討会では解雇やいじめなどの紛争の事例を類型化し、それぞれについてあっせんの解決金の目安を示すことを検討する。解決金が高い労働審判や民事裁判上の和解事例も含めることで、あっせんの相場を引き上げたい考えだ。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、あっせんの解決金は10万円未満が25%を占める一方、100万円超も6%ある。指針ができれば、解決金額のばらつきが少なくなり、企業にとっても予見可能性が高まるメリットがある。あっせんに加わるかどうかは強制力がなく、経営者側が欠席して不調に終わることも多い。参加率を高めるための方策も検討課題になる。
 労働審判は現在、地裁本庁とごく一部の支部でしか申し立てられない。より多くの支部や簡易裁判所でも可能にする案が有力だ。
 裁判で不当と認められた解雇を金銭補償で解決する制度も検討する。政府が6月に決めた成長戦略には制度導入を検討することが盛り込まれた。欧州諸国では不当解雇の補償金を定めており、例えばドイツは年収の1.5年分が上限だ。海外の事例を参考に導入の是非を含めて議論する。
 解雇や職場でのいじめなどの労働相談は高止まりしている。厚労省によると、14年度は103万件だった。10年前に比べ25%多く、7年連続で100万件を超えた。内容別では職場でのいじめ・嫌がらせが最も多く、次いで解雇の順になっている。
 
 ▼あっせん 裁判以外の紛争解決(ADR)の一種。解雇や職場でのいじめなどを理由に働き手が申し立て、1回の開催で合意を目指す。働き手と企業が対立したケースでの合意は退職を前提に、企業が解決金を払う例が多い。
 
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