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マタハラ問題に一石 減らぬ相談、年3000件以上 均等法に照らし新規範

(日経新聞 2014年10月24日)
 
女性の社会進出とともに問題化している「マタニティーハラスメント(マタハラ)」に23日、最高裁が一石を投じた。妊娠や出産を理由にした不利益な取り扱いを禁じた男女雇用機会均等法の改正から8年がたつが、マタハラ相談は年3千件を超える。この日の最高裁判決は対応が遅れがちな中小企業などにも影響を与えそうだ。
 今回の訴訟で訴えていたのは広島市の病院に勤めていた理学療法士の女性。勤続約10年で管理職の副主任になったが、妊娠が分かり軽い業務への転換を希望したところ、副主任から降格させられ、復職後も職位復帰できなかった。
 病院側は「事前に女性の意思を確認し、副主任の免除について同意を得ていた」と主張。一方、女性側は「役職を外されると伝えられていない」と反論していた。
 最高裁第1小法廷は判決理由で「降格が認められるには、事業主の適切な説明と本人の十分な理解が必要」と指摘。今回のケースは「不十分な説明しかなく、本人は復帰の可否が分からないまま渋々受け入れたにとどまる」と判断した。
 裁判長を務めた桜井龍子裁判官(行政官出身)は補足意見で「(職場)復帰後の配置が不利益な取り扱いに当たるかは、妊娠中の職位ではなく妊娠前の職位と比較すべきだ」とし、妊娠の前後で処遇を大きく変えることは問題との見方を示した。
 マタハラを巡る訴訟ではこれまで、民法などの一般論に基づいて判断されるケースが多かった。
 産休による出勤不足を理由に賞与を全額カットされた予備校勤務の女性の訴訟では、最高裁が2003年に「民法で規定する公序良俗に違反する」として無効と判断。育休から復職後に減俸を伴う配置転換をされたケースでも、東京高裁は11年に「人事権の乱用」と判断し、「均等法違反」に当たるかどうかは明示されなかった。
 最高裁が今回、均等法に照らして新たな規範を示した背景には、06年の均等法改正後も問題が解消しない現実がある。中でも大企業に比べて中小企業は対策が遅れがちとされている。
 厚生労働省によると、全国の都道府県労働局に寄せられたマタハラ相談は13年度に3663件で、改正法施行の07年度以降、年3千件以上の高止まりが続いている。
 マタハラに詳しい立教大学社会福祉研究所の杉浦浩美特任研究員は「相談件数は氷山の一角。日本の働き方は家庭などを顧みない男性労働者がモデルで、妊娠女性にはそぐわない。介護や病気でハンディを抱えうる男性にもマタハラ問題は人ごとではなく、働き方全般の視点から考え直す必要がある」と話している。
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