福岡での就業規則からマナー研修、経営計画までサポート。KS人事研究所

福岡の人事制度・評価制度・人材育成・人材活用のことならおまかせ下さい。 株式会社KS人事研究所

配偶者控除 働き方中立に

(日経新聞 2014年10月7日)
 
政府は6日、首相の諮問機関である政府税制調査会の基礎問題小委員会を開き、所得税改革の議論を本格的に始めた。初回のテーマは、妻の年収が103万円以下なら、夫の課税所得から38万円差し引ける配偶者控除の見直し。今後数年で夫婦の働き方に中立的な税制を探っていくが、議論には時間がかかりそうだ。
 現在の制度だと、妻の年収によって、夫婦が受けられる所得控除の金額が変わってしまうという問題がある。妻の年収が基礎控除が使える65万円から、夫の配偶者特別控除がなくなる141万円までの夫婦は、配偶者控除と妻の基礎控除を二重に受け、控除額がほかの世帯よりも大きくなる。
 政府税調ではまず、配偶者控除と基礎控除の仕組みを見直して、夫婦の控除額がそれぞれの年収にかかわらず一定になる「家族控除」の仕組みを導入する案を議論した。それぞれの年収がいくらでも、夫婦で計76万円の所得控除を受けられるようにすれば、税制が働き方を左右することがなくなるとの発想だ。
 ただ、所得控除の場合、金額は一定でも高所得者ほど恩恵を受けやすいという問題が別にある。所得税率が40%の高所得者の場合、76万円の所得控除の価値は30万4千円だが、税率が10%の低所得者の場合、同じ金額の控除の価値は7万6千円にしかならない。
 そこで政府税調では配偶者控除などを所得控除の代わりに、課税金額から直接差し引ける「税額控除」に移すべきだとの意見が相次いだ。税額控除額を一定にすれば所得にかかわらず減税の金額は同じになる。「(税率の差による)ゆがみがなくなる」(慶応大学の土居丈朗教授)わけだ。
 もっとも、税額から一定額を差し引く制度は、確定申告が必要になるなど手続きが煩雑になる課題がある。会議では税額控除に移すのではなく、所得控除のまま収入によって控除額に差をつけるという案も出て、議論はまとまらなかった。
 会議では「配偶者控除をなくして、子ども向けの控除を拡充する方が望ましい」(政策研究大学院大学の大田弘子教授)などの意見もあった。
 配偶者控除の見直しは安倍政権の成長戦略にも入っており、議論に時間をかけすぎることもできない。
 東京大学の伊藤元重教授は「前に進む必要がある」と述べ、導入しやすい家族控除から手をつけるべきだと訴えた。
 政府税調は11月にも複数の見直し案の論点を整理し、政府・与党内の議論に生かす方針だ。制度改正は早くとも2017年以降になりそうだ。
copyright(C) 2010 川庄公認会計士事務所 All Rights Reserved.