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働き方改革 割れる労使 「年収・職種」対立続く

(日経新聞 2014911日)

柔軟な働き方の導入に向けた議論が本格化してきた。厚生労働省は10日の労働政策審議会で新成果給制度「ホワイトカラー・エグゼンプション」をはじめとする労働時間法制見直しの論点を示した。対象者の拡大を求める経営者に対し、労働組合は過労が増えると反発し、対立した。厚労省は欧米企業の導入状況や各国の弊害除去策などを調査し、妥協点を探る。

 政府は6月にまとめた成長戦略で労働、農業、医療など岩盤と呼ばれた規制の改革に取り組む方向を示した。労働分野で最も注目されたのが、時間ではなく成果で評価するホワイトカラー・エグゼンプションの導入だ。

 長時間労働を助長するとして日本では規制されてきた。時間と成果が比例しにくいアイデア勝負の仕事をきちんと評価する制度を認めるべきだという発想に転換し、政府は「年収が最低1000万円以上の高度な専門職」を対象に導入するところまで決めた。年内に詳細を詰め、来年の通常国会で法改正する段取りだが、意味のある制度になるかどうかは今後の制度設計にかかっている。

 厚労省は同日の審議会で、対象者の年収基準や職種、健康確保策といった論点を示した。対象業務は金融機関のディーラーやファンドマネジャーなどが想定されているが、対象をもっと広げないと、現状を追認するにすぎないとの声がある。鈴木重也・経団連労働法制本部主幹は「専門職だけでなく、研究職や技術職、調査職に広げてほしい」と強調した。

 だが、労働組合の反発はなお強い。この日の審議会でも、新制度が働き過ぎを招くとして反発した。「一部の業務に限って解禁した労働者派遣制度も、気がついたら原則自由化されていた」(新谷信幸・連合総合労働局長)となし崩しの対象拡大に懸念を示した。年収基準の引き上げや職種の絞り込み、導入手続きの厳格化を訴える構えだ。

 従来、厚労省は労組側の主張に流されがちとみられてきた。だが、内閣改造で「雇用改革で生産性をあげるべきだ」と訴えてきた塩崎恭久氏が厚労相に就任し、改革への期待が高まっている。

 1時間でどれだけの価値を生んでいるか。日本の労働生産性は40ドルとされる。ノルウェーの87ドル、ルクセンブルクの80ドルの半分だ。米国、フランス、ドイツも60ドル前後で日本より高い。

 現行規制の下では長く働くほど残業代が増えるため「ダラダラとした残業が増える」(経済産業省幹部)面がある。週49時間以上働く長時間労働者の比率は日本は23%。米国の15%や英仏独の12%を上回っている。

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