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ハローワークに地域差 厚労省「成績」公表へ

(日経新聞 2014年8月29日)
 
 仕事探しは最寄りのハローワークで――。こんな常識が変わるかもしれない。人手不足を反映して22年ぶりの高水準にある有効求人倍率を全国各地のハローワークごとに見てみると、東京都内でも0.40倍から6.10倍まで大きな開きが出た。仕事が少ないと思われがちな地方でも上位に食い込むところがある。どこに行けば仕事が見つかりやすいのか調べてみた。
 有効求人倍率は仕事を求める人1人に対して、求人数が何人分あるかを示す指標だ。4~6月期の全国平均(季節調整前)は1.00倍。ちょうど求職者と求人の数が釣り合っている状態だ。
 
 一般には公表されていないが、全国434カ所のハローワークごとに求人倍率を調べると、大きなバラツキが出た。
 トップは品川(東京都)の6.10倍。1人あたり6件以上の仕事がある計算だ。2位の飯田橋(東京都)も5.01倍の高さ。「都心は企業が集まり仕事が多い一方で、住んでいる人が少ないので求人倍率が高くなる」(東京労働局)という。
 都内でも府中(0.48倍)や八王子(0.40倍)は低い。企業は少ないが都心のベッドタウンとして住民が多いためだ。
 大企業が集まる場所の求人倍率が実態より高くなる面もある。厚生労働省が有効求人倍率をまとめる際、企業からの求人は本社のある場所で数えるためだ。例えば東京本社のスーパーが山梨店で働く人をハローワークで募集しても、東京の求人としてカウントされる。
 だが飯田橋の場合は地域内で働く求人だけで数え直すと6.65倍と、もとの5.01倍よりかえって高くなる。地域内に本社がある企業の求人よりも、地域内の求人の方が多いからだ。「地方企業の東京事務所などが加わるほか、求人が多い銀座も地域内に入っているため」(ハローワーク飯田橋)。都心部の求人は実際に多いといえそうだ。
 ハローワークの端末には全国の求人情報が載っている。失業保険の申請などは地元のハローワークで手続きする必要があるが、仕事を探すだけならどこのハローワークに通ってもいい。登録された求人は約100万件。賃金や雇用形態、業種、仕事内容、勤務地といった条件を細かく付けないと絞り込めない。
 「自分が望む仕事があっても、端末で探すとどれか1つは条件が合わないとヒットしない。働きたい場所のハローワークの相談窓口に行ったほうが自分に合う仕事に出会いやすい」(ハローワーク品川)というわけだ。
 仕事があるのは都心だけとは限らない。地方では三国(福井県)は2.08倍、魚津(富山県)は1.72倍と健闘が目立つ。福井は伝統的に繊維など地場の製造業が強いほか、富山でも来年開通する北陸新幹線の関連で流通業が好調だ。
 東日本大震災の被災地も高水準が続く。相双(福島県)は2.41倍、大船渡(岩手県)は1.66倍、気仙沼(宮城県)は1.59倍だ。復興事業で建設などの求人が多い。
 
 深刻な人手不足が地元経済に及ぼす影響は大きい。今後は地域や職種によって求職と求人が釣り合わない「ミスマッチ」をどう解消に近づけるかが大きな課題になる。
 そこで厚労省は来年4月にも全ハローワークの仕事ぶりに「成績」を付けて公表し、仕事を探す人がどこに通うかを決めるのに利用してもらうことにした。既に求職者や求人のうち、何%を就職に結びつけたかを内部で調べているほか、窓口に来た求職者への「顧客満足度」のアンケートも一部で実施している。
 企業の多さや人口などもともとの地域差も考慮したうえで、一つ一つのハローワークの「頑張り」を客観的な指標で見えるようにする。厚労省はこれから細かい制度づくりを検討する。「各ハローワークが互いに競い合って、サービスの水準を上げていく」(厚労省職業安定局)のが狙いだ。
 仕事選びの第一歩はハローワーク選びから。そんな時代が訪れることになりそうだ。
 
         
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