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女性登用策 広く厚く 政府目標達成に知恵

(日経新聞 2014年8月15日)
 
 企業の女性登用策が多様化している。キリンホールディングスや清水建設は女性管理職の早期育成に向けて研修制度を充実。商船三井は女性が復職しやすい制度を導入し、三菱マテリアルは女性の採用割合を2倍にする。2020年までに企業や官庁の管理職の女性比率を30%に高める政府目標に対応した企業の制度整備が加速している。
 キリンホールディングス傘下のキリンは9月から、若手・中堅の女性社員約30人を選抜、リーダーシップなどを学ぶ「次世代リーダー育成プログラム」を始める。21年までに管理職に占める女性比率を現在の約4%から12%(約300人)に高める計画で、プログラムはその一環。清水建設も18年度に女性管理職を現在の2倍に増やすため、入社15年目の女性社員が全員参加する管理職育成講座を設置する。
 帝国データバンクが14日に発表した企業の意識調査(調査対象2万3485社、有効回答企業数1万1017社)によると、57.4%の企業が女性の積極活用に意欲があると回答した。性別に関係なく人材登用を目指す企業は増えている。
 しかし現実には男女間で登用に格差がある。キリンや清水建設などは女性に限ったキャリア形成プログラムを実施して、女性の管理職比率を早期に高める。
 安倍政権が女性の積極活用を成長戦略に掲げたこともあり、企業は女性のキャリア形成を後押しするという直接的な仕組み以外の制度整備も進めている。1つは働きやすい環境づくりだ。
 商船三井は4月から夫の転勤など家庭の都合で退職した女性社員が復職できる仕組みを導入した。配偶者が同社の社員でなくても離職から4年以内なら適用し、退職前と同じ待遇で迎える。日本郵船は子育て中の女性社員でも海外勤務ができるように、勤務先となる海外の保育機関や教育機関との連携を強める。
 女子学生の採用を拡大して管理職候補者の裾野を広げようという試みもある。三菱マテリアルは14年春に14.1%だった新卒総合職に占める女性割合を、17年には3割に高める数値目標を設定。達成に向けて女子学生限定の採用説明会を開催したり、採用担当者に女性を配置したりする。
 日本企業で管理職に占める女性の割合は1割強で、3~4割を占める欧米企業に比べ大きく出遅れている。原因の一つは女性登用に対する意識の低さだ。このため社内風土の改革を進める企業も増えてきた。セブン&アイ・ホールディングスは上司となる男性管理職らを対象に女性社員の活用方法を学ぶ研修や、育児休暇を取得した男性社員が自身の経験を披露する場などを設けた。
 損害保険ジャパンは年内をめどに、直属ではない上司が女性社員の相談に乗る「メンター制度」の対象を従来の40歳前後から30代前半に広げる。同社では既に20代向けのキャリアアップ研修や幹部育成を狙った「女性経営塾」がある。今回の制度拡充で若手から中堅、幹部まで女性社員の一貫した育成体制を整える。
 政府の男女共同参画推進本部は女性の活用推進に取り組む企業に補助金を出したり、女性の活用状況を公共事業の入札の評価対象に加えたりする方針を示している。企業で女性登用策が急速に広がるのは、こうした優遇策をにらんでいる面もありそうだ。
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