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賃金増の波、正社員にも

(日経新聞 2014年8月19日)
 
 働く人の賃金増に底堅さが出てきた。厚生労働省が18日まとめた6月の毎月勤労統計調査確報値によると、基本給にあたる所定内給与は前年同月比0.2%増の24万2830円となり、2年3カ月ぶりに本格的な増加に転じた。パート労働者に続き、正社員も基本給が6年4カ月ぶりの伸びとなったためだ。ただ、物価は賃金を上回るペースで上がっている。消費の先行きは見通しにくい。
 基本給は残業代やボーナスを除いた土台となる給与。5月は113円増(0.0%増)だった。正社員を中心とするフルタイム労働者の6月の基本給は0.5%増で、4月から3カ月連続で増えた。
 パート労働者の基本給は6カ月連続で増え、6月は0.6%増だった。正社員を中心とするフルタイム労働者はベアの効果が出るにつれ、上昇率でもパートに追いつきつつある。
 業種別にみると、正社員が最も多い製造業は1.7%増と15年半ぶりの大きな伸びとなった。建設業(1.9%増)、卸売・小売業(1.3%増)でも伸びが目立った。
 人手不足が深刻になるなか、パートやアルバイトを正社員として雇うケースが増えたことも影響している。6月の正社員数は3306万人と1.0%増えた。伸び率は5年半ぶりの大きさで、宿泊飲食サービス業の伸びが目立つ。正社員の基本給はパート労働者の3倍。正社員の数が増えれば全体の水準を押し上げる。
 景気の下支え効果はまだ限定的だ。基本給に残業代やボーナスを加えた現金給与総額は、正社員とパートを合わせた平均で44万280円と1.0%伸びた。だが現金給与総額を消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)で割った実質賃金指数は3.2%下がった。家計にとっては食品などの値上がりや消費増税による負担増加が、賃上げ効果より大きい。
 消費の回復はまだら模様だ。百貨店大手5社の7月の売上高は、各社で明暗が分かれた。三越伊勢丹は前年同月比0.8%増と消費税率が引き上げられた4月以降では初めてプラスに転じた。阪急阪神百貨店も1.0%増と2カ月ぶりのプラスだった。一方、4.3%減となった高島屋のほか、そごう・西武(2.7%減)、大丸松坂屋百貨店(2.6%減)の3社はマイナスだった。大丸松坂屋は「消費増税後の反動減からの回復は遅れている」と話している。
 企業は消費増税や原材料の値上がりを受けて、4月から商品価格を上げた。ゴールドマン・サックス証券によると、価格を1%上げたときの売り上げの減り方は1997年の消費増税時の2倍以上。「価格上昇で消費の勢いが鈍っている」という。
 政府は10月から最低賃金を引き上げるほか、企業にも一段の賃上げを促す方針だ。企業の業績改善が続き「もう一段の賃上げの流れが続かなければ、物価上昇の影響を乗り越えられない」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)。
 政府は年内に、来年10月に消費税率を10%に引き上げるか最終判断する。脱デフレの道筋は見えつつあるが、日本経済が再増税に耐えられるか難しい決断を迫られそうだ。
 
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