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新しい働き方議論で厚労省 裁量労働制拡大に軸足

(日経新聞 2014年5月28日)
 
 厚生労働省は働く時間を柔軟に決められる裁量労働制を広げる方針だ。専門職や企画職に限っている仕組みを新たに管理職の手前の社員にも適用する。28日の産業競争力会議で田村憲久厚生労働相が表明する。一方、同会議の民間議員は裁量労働制よりも柔軟に働ける仕組みを改めて提案する。6月の成長戦略策定に向け、働き方の見直しが政府内で焦点になる。
 労働法制を所管する厚労省は、新しい柔軟な働き方として2つの制度を想定している。一つが高収入の専門職に成果で給与を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入。もう一つは今ある裁量労働制を、年収は低くても管理職の手前にいる人材などにも広げる。田村厚労相は「裁量労働制の新たな枠組み」の検討を表明する。
 裁量労働制は一定時間を働くと事前にみなして賃金を計算する仕組み。実際に働く時間が長くても短くても給料は変わらない。ホワイトカラー・エグゼンプションと違って深夜・休日の手当は残るため、過度の長時間労働には一定の歯止めをかけられる。
 現在は裁量労働制はコピーライターや研究者などの専門職と、企画や調査、分析などの企画職に限っている。新たに業務分野を限らず、本社の課長代理など管理職の一歩手前の社員を対象に加える。専門型と企画型の裁量労働制を含めた一本化も検討する。
 労基法では管理職は労働時間の規制から外れ、残業代や休日手当がない。その手前の社員に対しても労働時間規制を緩め、自分の裁量で働けるようにする。ただ、企業が残業代を減らす目的で裁量労働制を悪用する可能性もあるため、一定の年収や勤続年数、労使の合意を前提にする。単純作業に従事する人は対象から外す。休日の取得など健康の確保も義務付ける方向だ。
 これに対し、競争力会議の民間議員を務める経済同友会の長谷川閑史代表幹事は働き方を一段と自由に決める案を主張する。幹部候補生などを対象に「労働時間と報酬のリンクを切り離す」ことを徹底するかわりに労働時間には上限を設け、守れない人は労働時間での管理に戻す。裁量労働制は手続きが煩雑で使いにくいため、選択肢を増やしたいとの考えだ。
 競争力会議の民間議員は4月22日、年収によらず労働時間の規制対象から外す案を示し、厚労省が具体案を検討してきた。両者の案はともに幹部候補生を労働規制を緩める対象に加えた点などで歩み寄っている。長時間の労働は是正すべきだとの考えも同じだ。ただ競争力会議が提案する仕組みには「長時間労働を助長しないのか」という懸念の声がつきまとう。
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