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配偶者控除 代替案探る 女性の労働力活用
 
(日経新聞 2014年5月10日)
 
政府は専業主婦世帯の優遇税制と批判のある配偶者控除の廃止・縮小に向けた論議に着手した。所得課税を働き方に中立な制度に改め、女性の社会進出を促す狙いだが、法人減税の財源確保のための増税との反発もくすぶる。公平感のある仕組み作りが焦点となる。
 
●専業主婦減る
 配偶者控除は、専業主婦世帯が大半だった1961年に導入された。主婦が年収103万円以下の場合、夫の課税所得は38万円分が減額される。この「103万円の壁」が女性の働く意欲をそいでいると言われ、働く女性からの反発も強い。
 日本の専業主婦世帯は4割と過半を下回ってきた。財務省などはかねて女性の働き方の変化に対応する税制改正が必要だと訴えてきた。
 一方、財政当局には法人税の減税財源を確保する思惑があるとの声も根強い。法人実効税率を1%下げても税収総額を落とさないためには5000億円の代替財源が必要とされる。35%台の税率を国際標準の20%台に下げるには、3兆円を超える増税が必要な計算になる。廃止すれば6000億円を捻出できる配偶者控除見直しは有力財源になるというわけだ。
 これに対し、自民党などは一般的に共働き世帯よりも可処分所得の低い専業主婦世帯へのしわ寄せが大きいと慎重だ。自民党は「家庭を守る主婦を大切にする」として、昨年の参院選でも「配偶者控除の維持」を掲げた。控除を廃止すれば、約1400万人に影響し、年収500万円の世帯で7万円の負担が増えるとの試算もある。
 家族の形や、個々人の働き方の違いで不公平感が出ないような代替案を示せるかが焦点になる。
 政府内では複数の選択肢が浮上しているが、いずれも一長一短がある。
 たとえば、控除対象の主婦の年収基準を現行の103万円から徐々に引き下げていく案だ。基準を下げれば、それだけ税収が増えるが、新たな「壁」ができる可能性も否定できない。
 配偶者控除をなくし、夫婦それぞれが控除枠を持つ案もある。妻の就労時間が少なく控除を使い切れない場合は、夫が使えるようにする「家族控除」を作る。妻の収入がいくらになっても夫婦の控除額は一定だ。ただ、パート収入のある専業主婦世帯の多くで負担増となり、反発も出そうだ。
 
●世帯単位の課税案
 課税単位を個人から世帯単位に変える抜本策も検討されている。世帯の総所得を家族の人数などで割って、1人当たりの所得を出し、その額に対応する税率を適用して家族全員分の税額を出す仕組みだ。家族が多いほど適用税率が下がるため、少子化対策につながるとの期待もある。
 ただ、この方式を採用すると、多くの世帯の税負担が減り、全体として減税になる可能性が大きく、財政当局が消極的との指摘もある。
 増税を伴う控除見直しは年収や家族構成など立場によって意見が異なる。今後の税制改正の焦点となるが、調整は容易でないとの見方もある。総会後、記者会見した中里実会長(東大教授)は「女性の社会進出は税制だけでは解決できない。幅広い観点から時間をかけて議論する」と述べた。
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