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ベア、中小には追い風弱く 業績回復遅れ、増税に懸念

(日経新聞 2014年3月18日)
 
 今年春の労使交渉で大手企業で業績回復などを背景にベースアップ(ベア)回答が相次ぐ中、中小企業の賃上げは難しい局面を迎えている。中小の機械・金属関連メーカーが多く入るものづくり産業労働組合(JAM)が17日公表(14日までの回答)した集計では、ベア相当額を獲得した企業の割合は現時点で約5割にとどまった。業績回復の遅れなど3つのハードルがある。
 「ベアを獲得できるという雰囲気は広がっているが、今後回答が本格化する中小企業の動向が重要になる」。17日に記者会見したJAMの藤川慎一副会長は強調した。JAMの集計によると、回答があった370組合のうち186組合がベア実施の回答を得た。獲得額も平均額は1645円で、調査を開始した01年以降で最高となった。
 ただ、これは相場をリードする大手や業績堅調で賃金改善に前向きな中小の回答が含まれるためで、14日までに回答を得たのは全体の2割強。JAM全体では組合員100人未満の組合が60%、300人未満が85%を占めており、今後は実施回答率や平均額が下がっていく見通しだ。宮本礼一JAM書記長は「各組合の力量にかなりの差がある。従業員数が少ない組合のレベルアップが必要」と話す。
 ベアが広がりを欠く背景には、まず中小が大手に比べて業績回復が遅れていることがある。「大手は円安が輸出の追い風だが、大手に納品する我々は恩恵を受けていない」と都内の板金加工会社の社長はいう。原材料の仕入れ価格が高止まりする中、納品価格への転嫁が遅れている。今年の賃上げは見送る方向だ。「部品供給も現地のアジアメーカーとの価格競争を強いられている」(小松ばね工業の小松節子会長)との声も多い。
 2つめは消費増税を含めた景況の不透明感が拭えない点だ。めっき加工の新日東電化(東京・大田)はスマートメーター部品の受注などが好調で来年度は1割程度の増収になる見通し。しかし、賃金については「高卒初任給を引き上げるなど若年層の雇用確保のための施策が先。全体水準を底上げするベアは無理」(向山光一社長)という。
 電子部品製造装置のTSS(東京・大田)も「年明け以降、装置の受注が増えている」(田中淳社長)が、「総人件費の増加分は年間一時金や成果の高い人に積み増すことになる」。
 3つめは設備投資の遅れだ。経営者側には「金融危機後、老朽設備の更新を止めていた。生産性を向上し企業体質を筋肉質にしたほうが、将来の雇用確保と従業員の賃金引き上げにつながる」(都内の金属部品メーカー)との見方も根強い。
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