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健保、料率上げ相次ぐ 高齢者医療負担に

(日経新聞 2014年1月15日)
 
 大企業の会社員が加入する健康保険組合が相次ぎ医療の保険料率引き上げに動く見通しだ。2014年度は富士フイルムホールディングスや三菱電機などの健保が引き上げる見込み。高齢化を背景に高齢者医療制度に対する支援金の負担が膨らむ。健保全体の平均保険料率は13年度に過去最高の8.6%となったが、14年度はさらに上昇する見通し。企業収益や家計を圧迫する要因となりそうだ。
 
 健保組合は企業が単独または同業などと設立する。保険料は加入者の収入の標準額に保険料率をかけて算出し、原則、従業員と企業が保険料を折半する。従業員やその家族の医療費を給付する。
 健保組合全体では13年度、保険料収入から支出を差し引いた経常収支が6年連続で赤字(健康保険組合連合会調べ)となり、赤字額も4500億円を超える見込み。約1400ある健保組合の8割超が赤字の状態だ。特に08年度から後期高齢者医療制度で、75歳以上への医療給付費の約4割を現役世代が支援することになり、財政が厳しくなった。各健保は経常赤字になると積立金を取り崩したり、料率引き上げで対応する。
 富士フイルムの健保は14年度に保険料率を7.1%から8.6%に引き上げる計画。これまで準備金の取り崩しなどで支出増に対応してきたが、それも底をつき、14年度は料率引き上げに動く。
 フジクラは8.5%から9.5%程度への引き上げを検討中だ。三菱電機は8.3%へと0.5ポイント上げる見通し。キリンホールディングス傘下のキリンビールやスズキも、それぞれ引き上げの検討に入っているようだ。
 例えば年収500万円の加入者では、折半負担で保険料率が8%から9%に上がると単純計算で年間の負担は2.5万円増の22.5万円となる。企業も従業員1人あたり同額の負担が増える計算となる。
 13年度は全体の約4割にあたる557組合が料率引き上げに動いた。「14年度も料率を引き上げる動きがさらに広がりそうだ」(健康保険組合連合会の霜鳥一彦理事)という。
 料率引き上げ以外にも、赤字額抑制のため、各健保は資産の売却などでコスト削減に力を入れている。東芝は14年3月末に、5施設ある保養所のうち3施設を閉鎖する予定。三菱電機も、現在2カ所ある保養所を維持するかどうかについて検討に入る。
 他にも多くの健保組合が保養所の売却や給付の適正化、福利厚生メニューの見直しなど支出削減策に着手している。ただ「自助努力による支出の節減余地はなくなりつつある。給付や高齢者への納付金増を賄うのは難しい」(大和総研の佐井吾光氏)のが実情だ。
 高齢者医療費を賄うための支援金については、中小企業の社員などが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の負担を軽減。一方、大企業の健保ほど負担を重くする制度を全面的に導入することも議論されている。だが、これ以上、負担増が続けば、財政悪化で解散を迫られる組合が出てくる恐れもある。
 企業が給与以外に負担する従業員関連の費用として年金もある。だが株高を追い風に13年4~9月の運用利回りは5%弱のプラス(格付投資情報センター)と負担増に歯止めがかかりつつある。増加が続く健保負担への対応が企業の課題として浮上している。
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