福岡での就業規則からマナー研修、経営計画までサポート。KS人事研究所

福岡の人事制度・評価制度・人材育成・人材活用のことならおまかせ下さい。 株式会社KS人事研究所

働き方改革 派遣を先行 企業の受け入れ期限「撤廃」

(日経新聞 2013年12月19日)
 
 厚生労働省は12日、労働者派遣制度の見直し案を専門部会に示した。派遣社員は同じ職場で3年までしか働けないという原則を変え、派遣会社と無期契約を結べばずっと働き続けられるようにする。多様な働き方の選択肢を広げる改革の第一歩と言える。ただ実際に働き続けられる人が増えるか、正社員雇用への悪影響を防げるかは不透明。いかに雇用安定の効果を高めるかが課題となる。
 厚労省は年内に労使の意見をまとめ、年明けの通常国会に労働者派遣法の改正案を提出する。2015年春の施行を目指す。労働規制改革の先頭を走る派遣法改正は、労働時間などの岩盤規制にも切り込めるかどうかの試金石になりそうだ。
 
■業務の区分廃止
 見直し案は企業が派遣社員を受け入れやすくし活躍の場を広げるのが狙い。まず派遣期間に定めがない取引文書の作成や秘書など「専門26業務」の区分をなくす。何が26業務にあたるかがわかりにくい問題を解消し、どんな仕事でも派遣社員に任せられるようにする。
 有期契約の派遣社員が同じ職場で働ける期間は最長3年とする。企業は人を3年ごとに交代すれば同じ職場で派遣社員を受け入れ続けられる。
 派遣大手のスタッフサービス・ホールディングスは「派遣スタッフのキャリア形成にも役立つ」とみている。ある職場で3年働き、次の人と交代する時に(1)派遣先に直接雇用を申し入れる(2)派遣会社で無期雇用に転換する(3)新たな派遣先を紹介する――などの措置を派遣会社に義務付ける。実際には(1)(2)はハードルが高く、従来通り次の派遣先の紹介にとどまるのでは、との懸念もある。
 派遣会社と無期契約を結んだ人や60歳以上の高齢者は同じ職場でずっと働けるようにする。従来は専門26業務以外だと最長3年で職場を変えなくてはならなかった。無期契約なら派遣先が見つからない時も派遣会社から給料が出る。有期契約よりも生活は安定するので一定の前進と言える。
 
■派遣会社は負担
 しかし派遣会社にとって無期契約は負担増となる。従来、専門26業務でずっと働き続けられた人は、無期契約を結ばないと最長3年間で仕事を変わる必要がある。「派遣会社は次の仕事を見つけるための責任がより問われるようになる」(テンプホールディングスの水田正道社長)。期限なく働ける人の数は今より減るとの見方もあり、改革が逆効果を生まないような工夫が必要だ。
 企業が派遣社員を使いやすくなる分、正社員の雇用を減らす懸念も残る。年末に向け、議論の焦点は正社員を主体とする派遣先企業の労働組合が派遣受け入れの継続をチェックする機能をどこまで強めるかに移る。
 見直し案は3年で人を交代する時に、派遣社員が正社員にとって代わらないように労働組合に意見を聞くよう求めている。ただ労組から反対意見があっても最終的には派遣先企業が判断できる枠組みにとどまっている。
 連合など労働組合側は12日の専門部会でこの枠組みに猛反発した。労働側の委員は「実効性のあるチェック体制が整わないと、賛成は難しい」との考えを示した。一方の経営側は「各企業の労使の自治に任せるべきだ」として、労組のチェック機能を一律で強めることには難色を示している。
 派遣会社には、労働者に計画的な研修をするよう義務付ける。労働者を社会保険に加入させてから派遣することを定めた既存の指針を法律に格上げする。派遣事業は全て国による許可制に移行し、定期的な許可の更新や講習の受講を求める。
 これらの措置も全て派遣会社には負担増となる。厚労省には企業が長く派遣労働者を使い続けられる規制緩和と同時に業界の適正化を進めることで、派遣労働者の処遇を改善させる狙いがある。
 見直しの方向は、おおむね産業競争力会議や規制改革会議の要求にも沿った内容だ。ただ日雇い派遣の原則禁止など民主党政権下で決まった規制強化策の見直しは、法施行から約1年しか経っていないことを踏まえ、見送ることになった。
copyright(C) 2010 川庄公認会計士事務所 All Rights Reserved.