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働き方 効率高める 裁量労働制を拡大 「成果で評価」促す

(日経新聞 2013年9月27日)
 
政府が労働時間規制の見直しに取り組む。働く人ひとりひとりの裁量を増やすことで仕事の創意工夫や効率性の向上を促すためだ。政府内では一部の地域・会社に限定して完全に労働時間規制の適用を除外する「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入を求める動きもあるが、厚生労働省は経済界の要望が強い裁量労働制の緩和を進め、全国一律での導入拡大を狙う。
 労働時間を前提にした従来型の働き方では、同じ成果を短時間で上げた社員よりも残業した社員の方が給与面で有利だった。社会全体で常態化している長時間労働を改善するには、労働時間の多寡にかかわらず、成果をあげた人を評価する仕組みが必要になっている。
 厚労省によると、手続きの煩雑さなどから、企画業務型の裁量労働制の適用者は2012年で労働者の0.3%にとどまる。対象拡大や手続き緩和で導入を広げる狙いがある。
 裁量労働制では、たとえば労使がみなし労働時間を「1日10時間」で合意した場合、実際の労働時間が10時間より長くても短くても会社は10時間分の賃金を払えばよい。法定の労働時間である「1日8時間」を超えた2時間分の残業代はあらかじめ固定給に含めておく。ただし、深夜や休日には割増賃金が出る。
 みなし労働時間以上働いても残業代は増えないので、働く人が短時間で仕事を終えようという動機付けになる。健康への悪影響を防ぐと同時に仕事の効率が高まるとされる。その分、余暇や家庭生活にあてる時間を増やすことにもつながる。
 日本のホワイトカラーの労働生産性は欧米に比べて低い。経済協力開発機構(OECD)加盟の34カ国中、日本の労働生産性(働く人1人あたりの付加価値額)は19位にとどまる。長時間労働を評価してきた慣習を見直すきっかけとして、労働時間を柔軟にする改革への期待は大きい。
 裁量労働制からさらに一歩踏み込んだのが、「ホワイトカラーエグゼンプション」という仕組みだ。年収が一定以上の社員を対象に、1日や1週間あたりの労働時間の制約を完全になくす。長く働いても賃金は増えない。米国などで導入事例があり、米国での対象者は約2000万人。日本円換算で年収1000万円以上が対象層という。
 経済産業省を中心に政府内では一部の企業や特区内に限って、同制度を導入する案も検討されている。メーカーの研究開発職など繁忙期には休日返上で働き、その後まとめて休むといった柔軟な働き方が可能になる。
 ただ厚労省はホワイトカラーエグゼンプションの導入には慎重だ。第1次安倍政権時の07年にも同制度を盛り込んだ労働基準法改正案をまとめたが、野党や世論の猛反発を受け、法案提出を断念した。企業の運用次第では、残業代なしで労働者に長時間労働を強いることになりかねないとの懸念も根強い。このため厚労省はまず経団連や政府の規制改革会議がかねて求めている裁量労働制の拡大に取り組む方針だ。
 
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