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ヘルスノミクス健康の経済学 欠勤なくても大損失に

(日経新聞 2013年8月24日)
 
 「またやってしまった」。東京都内の外食チェーン店で店長を務める塩塚謙介さん(36、仮名)はアタマを抱える。1日1箱で十分なシュークリームを間違って20箱発注。冷蔵庫に収容できずに一部を廃棄した。
 軽度のうつで集中力が続かない。学生のアルバイトには「お客さんの満足度を上げることに集中しよう」と指導するが、店長がイライラする雰囲気がアルバイトにも伝わるのか、今年初めから5人が辞めた。
~能力発揮できず~
 企業の健康対策に詳しい東京医科歯科大学の川渕孝一教授は「体調が悪く、本来の能力を発揮できないプレゼンティズムの社員が増えている」という。
 従業員が重病などで欠勤する「アプセンティズム」に対し、出動しているのにうつ病やアレルギーなどで頭や体が働かず、生産性が低下してしまうのが「プレゼンティズム」だ。米国での調査によれば、うつ病で7・6%、片頭痛や腰痛では5%近く仕事の効率が落ちる。米全体の経済損失は年15兆円に上るという。
 米化学大手ダウ・ケミカルの場合、うつ病社員の生産性低下による損失は1人年150万円、頭痛は60万円、アレルギーは50万円に上る。損失額は欠勤などによるアブセンティズムを大幅に上回る。
 企業経営にとって無視できないプレゼンティズム。日本企業も動き出した。
 企業に病気への対策を助言する損保ジャパン日本興亜ヘルスケアサービス(東京・新宿)は、ストレスに苦しむ社員の早期発見やプレゼンティズムの実態調査を支援するサービスを展開。250社と契約を結んだ。
~予防へ運動促す~
 JX日鉱日石金属はその一つ。藤井裕修人事部長は「本人の不調が長引いて周りの社員の負担が増し、職場全体の生産性が下がったため」と説明する。相談などの体制の整った現在は休職の判断も早くなったという。
 社員食堂のレシピがベストセラーになった健康機器大手のタニタ(東京・板橋)。歩数計を全社員に貸与するなどして運動を促しているのはプレゼンティズム防止のためだ。ブランディング推進室の横田洋子さん(44)は「バランスのとれた食事や運動が業務の効率性を上げる」と話す。
 一人ひとりが健康で元気に働く。少子化で労働人口が減る日本では、そんな当たり前のことが一段と大事になる。
 
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