福岡での就業規則からマナー研修、経営計画までサポート。KS人事研究所

福岡の人事制度・評価制度・人材育成・人材活用のことならおまかせ下さい。 株式会社KS人事研究所

賃上げ、物価上昇がカギ 設備投資は好転鮮明 企業経営者に聞く

(日経新聞 2013年7月13日)
 
 月例賃金を上げるかは、物価上昇が定着するかがカギ――。福島県いわき市で開かれた経済同友会の夏季セミナーに参加した企業の首脳に聞き取り調査したところ、こんな傾向が浮かび上がった。設備投資については好転の見通しが多かった。安倍政権は投資と賃金増を伴う景気の好循環を目指しているが、経営者がその双方に踏み切るにはデフレ脱却の「確固たる実感」が必要なようだ。
 聞き取り調査はセミナーに参加した長谷川閑史代表幹事や副代表幹事ら12人の幹部に実施した。
 ボーナスなど一時金については、すべての企業が業績改善分を一時金の増額に反映すると回答。ウシオ電機の菅田史朗社長は「このままの業績なら、来年のボーナスは今年より上がる」と強調した。日本経済新聞の夏のボーナス調査でも自動車や機械がけん引し、2年ぶりにプラスに転じた。
 今後の焦点は月例賃金の動向だ。年齢や勤務年数に応じて支給額が増える定期昇給に加えて、賃金を底上げするベースアップが実現すれば、将来にわたって賃金が上がるため消費拡大が見込める。だが企業にとって月例賃金引き上げは業績連動で上げ下げできる一時金と違い、固定費が増えるため決断しにくい。
 多かったのは物価動向を見極めるという意見だ。LIXILグループの藤森義明社長は「物価上昇率が政府目標通り本当に2%に達するなら、その分を解消する賃上げを考える」と指摘。帝人の長島徹相談役も「インフレ傾向が確固たるものになれば、賃上げはあり得る」と語った。
 賃上げを巡って、政府側は企業に先に実施してもらい、それを「個人消費増→物価上昇・デフレ脱却」につなげたい思惑がある。このため政府は、賃金や雇用改革について話し合う「政労使協議」の場を設ける方針だ。
 この協議に対し、経営者からは警戒の声も出た。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は「政労使が情報交換するなら意義はあるが、賃金に話題を限るなら抵抗感がある」と指摘。賃上げ交渉は企業に委ねるべきだとの意見が多い。
 設備投資の見通しに関しては半数以上の企業が「増える」と答えた。コマツの野路国夫会長は「新興国が良くなるまでは、国内での投資と生産を強化する」と指摘。ルネサンスの斎藤敏一会長も「介護予防事業を中心に投資が増える」と語った。日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)や機械受注統計など、最近公表の統計でいずれも設備投資の見通しが好転していることを裏付けた。
 とはいえ「減税策を意識して投資を増やすことはない。需要の動向次第」(日本生命保険・岡本圀衛会長)との声もあり、設備投資の好転がどこまで広がるかは見通せない。
copyright(C) 2010 川庄公認会計士事務所 All Rights Reserved.