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女性の賃金最高更新 昨年男性の7割に差縮む 子育て支援なお課題

(日経新聞 2013年2月22日)
 
 女性の賃金が増えている。厚生労働省が21日発表した賃金構造基本統計調査によると、2012年のフルタイムで働く女性の平均賃金は前年比0.5%増の月額23万3100円と、2年連続で過去最高を更新した。男女間の賃金格差も過去最小に縮まった。賃金の伸び率では女性が男性を上回っており、女性の活用がデフレ脱却をめざす安倍晋三首相の経済政策、アベノミクスのカギを握りそうだ。
 調査は、10人以上の常用労働者を雇う4万9230事業所の12年6月の所定内給与が対象。残業代や休日出勤の手当などは含まない。
 男女を合わせた平均賃金は0.3%増の29万7700円と、3年連続で増加。06~09年は賃金が若年層より高い団塊世代の退職に加え、08年秋のリーマン・ショック後の定期昇給の凍結などで4年続けて減っていた。
 女性の賃金は1989年以降、前年を下回ったのは2年だけで、毎年の伸び率は男性をおおむね上回る。12年も男性は0.2%増の32万9000円にとどまった。女性の賃金水準は90年には男性の6割程度だったが、12年は7割を超えた。
 女性の平均賃金を業種別でみると、卸・小売業は3%増、生活関連サービス・娯楽業は1.6%増と、女性が比較的多い業種での伸びが目立つ。日本総研の山田久チーフエコノミストは「円高の影響が小さかった内需型のサービス業で人手不足感が強まり、接客などを得意とする女性の給料が上がった」と分析する。
 働く女性の数そのものも増えている。12年の女性の雇用者は前年より6万人多い2375万人と過去最高を更新した。
 一方、男性の賃金がわずかながら増えたのは、賃金が若者より多い年長者の労働者が増えたためだ。男性は労働者の数が減少する傾向にあり、賃金は増えにくい状況が続いている。
 賃金の増加は、2%の物価上昇率目標を掲げてデフレ脱却をめざす首相の経済政策の焦点になる。賃金水準が上がらず物価だけが上昇すれば、家計の実質的な所得水準が下がるためだ。
 首相は経済界に賃上げを直接要請したほか、女性と若者雇用に力を入れる考えを示している。女性の就労を増やすには、保育所の整備など女性が働きやすい環境をつくる必要がある。日本では働く女性の6割が出産後に退職する。20代後半から30代の女性が仕事から離れる割合は先進国で突出する。女性を労働市場につなぎ留められれば、国内総生産を1.5%押し上げるとの試算もある。
 子育てと仕事の両立を支えるため、企業が社内などに設ける「企業内保育所」は4千カ所以上に増えた。だが大半は認可外で国の助成金は受けられない。企業の間では「認可基準が厳しすぎる」との声が出ており、規制改革の争点の一つになっている。
 
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