【ガリバー】 新人が主力の中古車店 あえて負荷、成長促す
(日経新聞 2011年9月19日)
中古車販売大手のガリバーインターナショナルが、店長以外を入社1年目を中心とする若手社員で構成する「寺子屋ブロック」制度で着実に成果を上げている。取り組みは今年で3年目。新卒社員にあえて負荷をかけることで成長を促しているが、離職率の低下や店長の成長につながる副次的な効果も出ている。寺子屋の卒業生が新人を指導するなどノウハウ伝授も進んでいる。
ガリバーは今年が設立18年目。買い取り専門という新業態店を全国に展開する手法で急成長した。一方で人材は大半を中途採用に頼らざるをえず、独自のノウハウが蓄積されずにサービスが店ごとにバラツキやすいとの悩みもあった。
寺子屋制度は店長に新人教育を託し、新入社員をガリバー流で育てる仕組みだ。昨年からは入社1年目の社員は全員を寺子屋店に送り込んでいる。
新人に責任を負わせ、成長スピードを速めるという意図もある。通常の店だと店長に加えてベテラン社員も多く、先輩に甘える構図も生まれやすい。寺子屋店では余裕のある店員が少なく、新人だけで顧客との商談を進めることもある。通常なら一定の水準に育つまで1年程度かかるが、寺子屋なら4ヵ月程度で済むことが多いという。
もちろん、新人への負担は小さくない。多くの社員が仕事が終わった後のプライベートな時間を使って仕事の勉強にあてているという。こくした社員に対し、会社も「寺子屋予備校」と称し、店長などが自身の経験をもとに知識を伝達する時間を設けて学習意欲に応えている。
寺子屋制度は、新入社員の離職率低下にもつながっている。3年前は入社3年で約3割が辞めていたが、この比率が15%前後に下がったという。
近隣店のスタッフが同じ寮で暮らすため、「似た悩みを抱える同期と励まし合え、経験者である先輩ともコミュニケーションを取りやすい」とのこと。
こうした取り組みは、口コミで学生へも広がっている。同社の新卒採用のエントリー数はこの3年間で約6倍に増えた。一つ屋根の下で生まれる体育会風なコミュニケーションに前向きな印象を持つ学生が多いという。
最近では、通常の店より営業成績が良い寺子屋店も増えてきた。