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【キリンホールディングス】 女性社員 活躍の秘訣は? 失敗に学び、諦めず30年

(日経新聞 2013年10月20日)
 
 「男女雇用機会均等法の施行に先立ち1982年に女性総合職の採用を始めたが、すぐに成果が上がったわけではなかった。当時は男性中心の組織文化がまだ根強く、結婚や出産などで半数の女性が辞めていた。経営層も女性自身もそれを当然と受け止めていた」
 
 ――変わったのは?
 
 「90年代に入って、離職率を下げるために子育て支援制度を整えたところ、結婚・出産を理由に辞める女性はほぼいなくなった。さらなる転機は2007年。女性社員の社内組織『キリンウィメンズネットワーク』をつくったことだ。なぜ女性が活躍できないのか議論を深め、組織の構造的な問題など改善点を提言してもらった。それを基に人事施策・運用を見直し、改革を本格化した」
 
 ――構造的問題とは。
 
 「育てる側の意識だ。若手の育成は管理職の大切な職務だが、成長につながる重要な仕事は女性に与えず、優先的に男性に割り振る傾向があった。それでは女性は育たない。そこで女性社員を対象に公募型選抜研修『キリンウィメンズカレッジ』を始めた。延べ10日間にわたり、経営視点とリーダーシップなどを学ばせる。女性を鍛える一方で、カレッジ受講生の直属の上司を別途集めて意識改革研修も開く。受講生の育成に責任を持たせる狙いだ」
 
 ――女性社員の育成になかなか成果が出ず、取り組みをためらう企業も多い。
 
 「短期間で成果は出ない。キリングループの今があるのも、失敗から学んできたから。例えば育児休業の取得可能期間。以前は子どもが3歳になるまで休めたが06年に2歳までに短縮した。ブランクが長いと仕事についていけなくなるなど本人のためにならないと分かったからだ。女性のためと思ったことが逆にキャリア形成を阻んでいた」
 
 「総合職の採用以降、まずは両立支援策を拡充して離職率を下げ、次に女性がキャリアを築ける仕組みを整えた。こうして育った女性たちが成果を出し始めている。活躍する先輩が増えれば次代の女性も続く。こんな好循環が生まれるまで時間も労力もコストもかかる。ただ好循環は一度始まれば加速する。成果が表れないからと途中で諦めず、経営層が覚悟を持ってやり抜くことが大事だ」
 
 1970年慶応大経済卒、キリンビール入社。営業やマーケティングなどを経て2007年同社社長。10年現職。65歳。
 
<聞き手から一言>女性社員の成長、会社を強くする
 
 ビールや清涼飲料水、医薬品などキリングループが扱う商品の顧客の半分は女性。ものづくりやマーケティングに女性の感性が欠かせず、それが女性活躍推進に会社を挙げて取り組む原動力となっている。
 ただ、グループの女性社員比率は約2割で、管理職比率は5%弱。役員クラスも社外取締役や監査役に女性がいるだけだ。管理職以上の年齢層にまだ女性が少ないのも一因。2000年代半ば以降は新卒採用の4割を女性が占める。「彼女たちが育たないと会社は強くならない」と三宅社長は強調する。真価が問われるのはこれからだ。
 
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