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【リコー】 前線で活躍 16人の「匠」 基幹部品改良の大黒柱

(日経産業新聞 2013年7月4日)
 
事務機大手のリコーでは定年を迎えた約80%の社員が再雇用制度を利用し、現役時代に培った経験や技術を後進に伝えている。中でも高い技術力を持つ社員を高度熟練技能専門職「匠(たくみ)」に任命。16人が技術の最前線で活躍している。
 「この仕事は楽しいし、まだやり残したことがあった」。神奈川県厚木市内にある事務機の生産拠点のリコーインダストリー。匠の1人、小島敏男氏(62)は事務機の基幹部品のーつであるアルミ製の細長いローラーと向き合う日々を送る。小島氏は2010年に定年を迎えたが、迷わず再雇用制度の利用を決めたという。
 経営幹部が審査・認定する匠に必要な社内の資格条件は特にない。「高度な技術・技能スキルが内外で評価され、それらを活かして当社でなけれ作ることが出来ない『モノ』を自ら生み出して(加工して)いる人材」(総合経営企画室・宮原祐子氏)が対象だ。小島氏以外には、事務機の生産・開発などで高い技能を持つ社員が匠の認定を受けている。
 約1万人の社員を抱えるリコー本体で匠の資格を取るのは容易ではない。設計や開発など技術者として長期間の経験を持つだけでなく、素材や道具などものづくりの工程すべてに精通し実績を上げていることが必要となる。さらにその技術を次世代に伝えるためには人格も備わっていなければならない。
 シニアの再雇用制度では1980年代にリコー本体で導入し、歴史が長い。最近は毎年約200人が定年を迎え、8割以上が再雇用制度を利用しているという。かつては週に数回の勤務制度なども設けていたが、現在は基本的に定年前と同様にフルタイムで勤務してもらっている。給与水準については開示していない。
 複合機や複写機のなかには様々な基幹部品がある。かつて大半の部品を自社で内製していたが、現在は多くの汎用部品を外部調達している。生産拠点も大半は海外に移転、リコーインダストリーの人員は最盛期に比べ減っている。ただ、競合他社との差異化につながる基幹部品の改良は今でも小島氏など熟練の技術者が手掛ける。
 再雇用後は後輩社員にメーンの業務を任せ、自らが表に立つことを控えるようにした。後進の育成につなげるとともに、自身は4月に発足した「新KP事業部」に専念するためだ。KPとは「KeyParts」の略で、事務機に使う基幹部品の開発を担う部署だ。小島氏は「新が付いたことでまた辞めるまでに新しいものを作らないと」と笑う。技術者として充実した毎日を送る。
 開発の現場では「競合他社にはまねできないオンリーワンを追求する」との思いは根強い。「40年以上事務機一筋でやってきた。この経験はこれからも生かせる」と小島氏。60歳を超える社員を再雇用することで若手の新規採用の妨げになるとの指摘もあるが、「社内の文化を知り長い経験を持つ社員がもたらす好影響は必ずある」(総合経営企画室)という。
 
         
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