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【ジェイアイエヌ】 個別の席廃し交流促す 情報を共有、書類も整理

(日経産業新聞 2013年5月28日)
 
 パソコン用眼鏡などヒット商品を次々と生み出す眼鏡専門店「JINS」運営のジェイアイエヌ。活発な商品開発を支えているのが本社で導入している「フリーアドレス制」だ。消費者の好みを素早く取り込み製品開発に生かすため、部署を超えた情報共有は必須。時間や場所の無駄を排除した環境で眼鏡に新たな価値を与え続けている。
 「店舗が快適な空間を目指しているのに、オフィスが実行できていないようではダメだ」――。2年前、本社移転を前に田中仁社長はオフィス改革に思いを巡らせていた。当時のオフィスでは、社員の机は商品サンプルや資料で埋もれがち。整理整頓が徹底されておらず、「そもそも本社がブランドコンセプトを体現できていない」(田中社長)状態だった。
 解決策として田中社長が提案したのはフリーアドレス制。社員が特定の机を持たないため、帰宅時には社員一人ひとりが資料や私物を個人ロッカーに片付ける。理屈では毎日、机の上は整理され、「快適な空間」は保たれることになる。
 当初社員からは「日々片付ける手間が面倒」といった反対の声が上がった。しかし、田中社長は「製品同様仕事でも質の向上を図る」と宣言し、2011年7月の本社移転と合わせてフリーアドレス導入に踏み切った。
 広さ約660平方メートルの新オフィス中央には2列に並ぶ大きな長テーブルを設置。約150人の社員が一同に座れるこの長テーブルの席を選んで座れるようにした。
 個人に割り当てられた固有スペースは段ボール箱2個分ほどのロッカーのみ。個人が情報を抱え込まず、なるべくグループで情報共有するように書類は電子化するほか、部署ごとに割り振られた書類棚に置く。間仕切りや書類棚の高さも統一し、立ち上がるとオフィス全体を見渡せるように設計。誰がどこにいるかを一目で確認できるのが特長だ。
 当初の目的は整理整頓だったが、150人の社員がフリーアドレスに慣れ始めた頃、意図せぬ効果が生まれ始めた。
 「生産担当とマーケティング担当で、すぐに情報共有と意見の擦り合わせができるようになった」と、パソコン用眼鏡「JINS PC」の広告担当を務めるマーケティング室の池川志帆氏は語る。製品開発で「半年先の計画まで練ることも多い」(池川氏)なか、他の部署の関係者の近くに座れば、そこが"ミニ会議室"にもなる。
 テレビCMの制作過程でもフリーアドレスが奏功した。
 CMに出演するアイドルグループ「嵐」の桜井翔さんが着用する眼鏡について、マーケティング側は当初、見栄えのよい目立つ色を候補に選んでいた。CM制作担当のメンバーで議論していると、近くにいた生産担当者が「その色は生産量が少ない。別の色にした方がいいのでは」と助言。池川氏は「生産チームの意見がなければ、品切れで迷惑をかけていたかも」と胸をなで下ろす。
 同社は上司だけでなく部下や同僚からも仕事の評価を受ける「360度評価制度」も導入しており、ユニークな視点は眼鏡のデザインだけにとどまらない。本社内での日常業務にもユニークな視点を取り入れ、コーポレートスローガンでもある「あたらしい、あたりまえを」今後も生み出していく。
 
【ジェイアイエヌのフリーアドレス導入による主な効果】  
 
●環境面
整理整頓を徹底。書類は電子化するほか、部署で割り当てられた書類棚に置くことで情報共有もしやすくなる
 
●開発面
他部署の関係者の近くに座れば"ミニ会議"がすぐに開ける。生産から流通まで部署を超えた意見の集約が可能に
眼鏡のサンプルをデスクに並べれば、社員の多くの意見を聞くことが可能。商品開発に反映できる   
 
●教育面
新入社員の周りに関係部署の社員が囲むように座ることで、効率的な研修・指導が可能に。すぐに戦力として働いてもらえる
 
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